Slide II - 008
このような状態はどんなときに起こりやすいのでしょう。
気道に問題がある
口や鼻から空気が入りにくくなっている状態では呼吸はスムーズにいきません。かぜなどで鼻が詰まったり、口にものがたまったりしていると息がしづらくなります。
のどが腫れると気道の内側が狭くなり、空気の出し入れがしにくくなります。さらに異物や喀痰などがたまると、空気の通り道がなくなり、息ができません。いわゆる窒息の状態です。このようなときは緊急に、異物や喀痰などを外に出す処置をしなければなりません。
呼吸運動に問題がある
横隔膜や胸の周りの筋肉を十分に動かすことができなくなっている状態では、吸って吐く呼吸運動ができないために、十分に換気をすることができません。また、横隔膜の動きが悪く有効な咳ができないので痰を出すことができません。このため痰で気道が狭くなり換気が悪くなります。
ALS の方はこの呼吸筋が麻痺してくるためにだんだんと呼吸障害がおきてきます。
肺に問題がある
肺でのガス交換が十分にできないと、酸素の量が減ってしまいます。肺のガス交換が十分にされない原因としては、肺炎などで肺に炎症が起きて肺胞がつぶれてしまう、肺に水がたまるなどでガス交換ができる面積が少なくなっている場合、心不全などで肺がうっ血している場合などが考えられます。