Slide I - 016
検討会における議論を受け、中間とりまとめを経て、介護職員等による喀痰吸引等の実施のための制度について「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正案が可決成立しました。
喀痰吸引や経管栄養は「医行為」と整理されており、現在は、一定の条件の下に実質的違法性阻却論により容認されている状況であることから、介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等は、一定の条件の下に喀痰吸引等の行為を実施できることとしました。
他の医療関係職と同様に、保健師助産師看護師法の規定にかかわらず、診療の補助として、喀痰吸引等を行うことを業とすることができることとされました。
実施可能な行為は、「喀痰吸引その他の日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるもの」とし、具体的には省令で定めることとされていますが、喀痰吸引
(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)と、経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)とされる予定です。
介護職員等の範囲ですが、 「介護福祉士」と「介護福祉士以外の介護職員等」とされ、一定の研修を修了した者を都道府県知事が認定することとされました。
しかし、介護職員等が個人として認定を受けただけでは喀痰吸引等はできず、「医師、看護職員等の医療関係者との連携の確保」等の一定の要件を備えた「登録事業者」に従事することで実施が可能となります。
これまでの、個人契約的な不安定性が解消され、事業者がしっかりと責任を持つこととなりました。
〈対象となる施設・事業所等の例〉
ですが、
・介護関係施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、有料老人ホーム、通所介護、短期入所生活介護等)
・障害者支援施設等(通所施設及びケアホーム等)
・在宅(訪問介護、重度訪問介護(移動中や外出先を含む)等)
・特別支援学校
などが想定されますが、医療機関については、医療職種の配置があり、喀痰吸引等については看護師等の本来業務として行うべきであることから対象外とされています。
この制度の実施時期ですが、一部を除き平成 24年 4月 1日の施行となります。
介護福祉士については平成 27年 4月 1日の施行です。ただし、それ以前であっても、一定の研修を受ければ実施は可能です。
現在、一定の条件の下に喀痰吸引等を実施している者が新たな制度の下でも実施できるために必要な経過措置を設けることとされています。