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それでは、利用者さんが「平常な状態」にあるかどうかを判断するには、何に注意すればよいでしょうか?1 つめの観察項目としては、意識状態があります。声かけや各種刺激に、いつもと同じように反応されるかどうかです。もともと意識障害があって判断が困難な場合には、ご家族に状態を尋ねるのもよいでしょう。次に、表情、皮膚の張りや色、発汗、嘔吐・腹痛・ 腹部膨満・便秘・下痢等の腹部症状、気管切開孔からの喀痰の漏れ、胃ろう周囲からの栄養剤の漏れ、その他態度に表れる活気・元気などが挙げられます。
また生命徴候としての バイタルサイン、つまり 脈拍、呼吸、血圧、体温等の測定は、客観的な指標になるでしょう。
これらの観察によって、喀痰の吸引や経管栄養等の医療行為を行ってよいかどうか、行為を中断した方がよいか、家族や医療者に緊急連絡を取った方が良いかなど、判断することが出来ます。

全身状態の観察とバイタルサインの測定