Slide II - 072

もう一度、石けんを用い、十分に手を洗いましょう。
利用者には必ず声をかけて、吸引をする意思を確認します。
先ほど説明したように、吸引は本人の苦痛を伴うものですから、同意を得て行わなくてはなりません。
体位(姿勢)ですが、吸引カテーテルが入りやすく効果的に吸引できるよう、必要に応じて整えます。頭の高さを変えるときは、急激に上げたり下げたりするのではなく、利用者に伝え、ゆっくり位置をかえるようにします。
気管内吸引では、呼吸器のコネクターをはずした際にたまっていた分泌物が飛び出すことがあるので利用者の服が汚れないようタオルなどをかけておくとよいでしょう。
吸引器で吸引する陰圧の調整は、原則として家族や医療者がすることになっていますが、確認は簡単にできます。
スイッチを入れた状態で、接続管の末端を手の親指でふさぐと、圧がメーター表示でなされます。通常口腔・鼻腔内吸引の場合は、20kPa(キロパスカル)以下、気管カニューレ内吸引は、20 〜 26kPa(キロパスカル)以下が適切です。吸引カテーテルの内径の太さや喀痰の粘稠度に応じて吸引圧を上げる場合においても、40kPa(キロパスカル)以下にします。もし高すぎたり、低すぎる場合には、圧調整つまみで調整する必要があります。吸引圧は、毎回調整する必要はありませんが、時々圧を確認して下さい。

吸引をする前に