Slide II - 015
人工呼吸器は、一定の圧力をかけて酸素を肺に送り込む器械です。
人工呼吸器は、器械本体とチューブや蛇管(じゃかん)などの回路をつなげて使用します。
すなわち、室内の空気を取り込んでフィルターできれいにしたものを、加温加湿器で加湿してから肺に送り込みます。つまりこの部分は、私たちの鼻やのどの役割をしています。
最近は加温加湿器を用いず、図内の赤色の矢印のように、フレキシブルチューブと呼気弁の間に人工鼻(じんこうばな)を組み込んで加温加湿を行うことが多くなっています。人工鼻は定期的に交換します。
必要な場合、高濃度酸素を回路の途中で取り入れ、吸入酸素の濃度を高める場合もあります。吸う空気、吐く空気が一定の方向に流れるように弁がついており、回路内にたまった結露を集めて廃棄するウォータートラップという部分もついています。
回路はチューブや蛇管(じゃかん)などの部品を接続して作られているので、この接続がゆるんだりはずれたりすると、空気が漏れてしまいます。また、チューブがねじれたり折れたりすると、回路内に圧力がかかります。このように設定した通りの空気が流れていない場合などには、人工呼吸器はアラームを鳴らして異常を知らせてくれます。
2011年の東日本大震災以後、停電時にも自宅で人工呼吸器が継続使用できるように、内部バッテリーのある人工呼吸器の使用、外部バッテリー、人工呼吸器を安全に駆動できる自家発電装置やインバーター、蘇生バッグ(バッグバルブ、アンビューバッグ)等の準備が、進められています。