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遷延性意識障害とは、いわゆる植物状態とも言われ、1972年の日本脳神経外科学会の定義では、自力移動が出来ない、自力摂食が出来ないなど、6項目の障害が治療にもかかわらず 3ヶ月以上続いた状態と定義されています。しかし、時間とともに、まばたきや指の動きで返事をしたり、笑顔などの表情の変化を示す例も多いと言われています。
原因としては、不慮の事故による脳の外傷(交通事故や転倒など)や脳血管障害、循環器、呼吸器疾患など様々な原因で意識不明になり、救急救命医療で一命をとりとめたにもかかわらず意識障害が遷延して起こります。嚥下や喀痰排出に障害が生じるため、施設や在宅介護の場で、経管栄養や喀痰吸引等が日常的に必要となります。
病名ではなく障害像を示す分類であるため、個別性が高く、障害当事者の現状をよく知ることが必要です。
近年、高度の意識障害を示しながら、自己や環境に対してわずかながらでも確実に認識できている状態を minimally conscious state(MCS)最小意識状態として、定義されています。

遷延性(せんえんせい)意識障害