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経鼻胃管からの液体型栄養剤の注入の手技は、基本的には胃ろうからの注入方法と変わりはありません。
しかし、鼻孔から胃の中まで細い管が挿入されているため、何らかの原因で抜けてしますと、先端が胃の中にない状態に気付かず注入を開始した場合、誤嚥等の重大な事故につながりかねません。
したがって、注入前に、管の先端が胃の中にあることを十分確かめておくことが必要です。
その方法として、鼻孔のところにテープで固定されたチューブの根元に印を付けておき、その印より外にチューブの抜けがないかどうか確認します。
意思を伝えることができる利用者なら、チューブが抜けかかっている感じがないか聞きます。
さらに、口を開くことが出来る場合、のどにチューブがまっすぐ通っており、とぐろを巻いていないことを確認します。
介護職員等はこれらを必ず十分に確認し、もし、抜けかかっているようであれば、注入をせずに看護師に連絡します。
医療者は、これらの観察に加えて、経鼻胃管に勢いよく空気をシリンジで注入し、胃内のガスの音を聴診器で確認したり、注入前に胃ろうからシリンジで内容物を吸引すると、胃液などが引かれることなどで、管の先端が胃内にあることを確認しておく必要があります。
最後に、経鼻胃管は、一般に胃ろうチューブや胃ろうボタンの内腔より細いため、粘度の高いものを注入すると胃ろうにくらべ詰まりやすいことも知っておく必要があります。

経鼻胃管からの液体栄養剤注入の場合