Slide II - 155

参考までに、栄養剤注入中に発生しうるいくつかの問題点とそれに対する緊急時の対応方法について述べます。ただし、介護者等のみなさんは、注入をただちに中止し、家族や医療者、あるいは救急隊に連絡を取ることまでが、仕事です。それ以外の対処は、家族や医療者が行う行為ですので注意して下さい。
まず、胃ろう周囲から栄養剤が漏れる場合です。
原因としては、チューブがろう孔径に比べて細すぎる、胃の出口である幽門(ゆうもん)の狭窄がある場合、消化管の蠕動(ぜんどう)運動の低下などで胃の内圧上昇している場合などが考えられます。
医療者の対処方法としては、
1) 注入を中止し、胃ろうカテーテルの注入側のキャップを開放して、胃内の栄養剤を膿盆などに受けて減圧したり、
2) 体位の工夫として、上体をベッドアップし、頭部をやや前屈位にし、胃部を圧迫する体位をさけること、
3) 経管栄養の滴下スピードを下げることなどが挙げられます。

緊急時の対応方法(1)