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私たちの身体は、口から咽頭までが1 本の管で、その先の喉頭で食道と、肺へ空気を送る気管に分岐します。
主に液状の栄養剤は、胃にたまり、嘔吐や圧迫によって食道を逆流しやすくなります。
したがって、経管栄養を行っている利用者は、栄養剤が食道を逆流し気管に垂れこむことによって誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
栄養剤は食道を逆流しやすくなる理由として、高齢者は胃の入口である噴門(ふんもん)がゆるんでしまうことや、食道裂孔ヘルニアといって、胃の上部が食道裂口という穴から上の方に飛び出すことによって、逆流防止機構が弱くなっていることがあげられます。
また栄養剤を嘔吐しやすい原因として、@胃腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下していたり、A胃の出口である幽門(ゆうもん)の狭窄があると栄養剤が長時間胃の中に停滞したりガスがたまりやすいことが考えられます。 さらに、経鼻胃管の場合、管の先端が食道内まで抜けてしまっている場合などでは、栄養剤が逆流する危険性が高くなります。
気管に栄養剤が流れ込むと、通常強いむせ込みがおこります。

経管栄養のリスク